共創のまちぐらし

2023.07.28
共創のまちぐらし
令和5(2023)年度 第1回 函館西部まちぐらし共創サロンを開催しました

令和5年7月22日(土)に函館市地域交流まちづくりセンター2階 多目的ホールにおいて、函館市西部地区再整備事業基本方針に定める「共創のまちぐらし推進プロジェクト」の一環として、「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しました。(開催のお知らせはこちら)

開催趣旨

函館市西部地区再整備事業基本方針に掲げる重点プロジェクトの一つである「共創のまちぐらし推進プロジェクト」における取組として、令和4年度(2022年度)から、「西部地区における共創のまち育て」をコンセプトに、地域住民をはじめ、市民やまちづくりに関わる参加者が西部地区の未来を考え、共有し、まちぐらしを語り合う場として「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しています。
今回は、「西高生が考える西部地区のまちぐらし」をテーマに、北海道函館西高等学校の生徒による企画発表とその企画実現に向けたグループワークを行いました。

開催内容

1. 企画発表

西高生6チーム15名による企画発表を行いました。企画内容は次のとおりです。

発表1「救急車のフローチャートをつくろう」

救急車は、怪我や急病などで緊急に病院に搬送しなければならない事態が発生した場合に
利用するものであるが、緊急性の低い場合(単なる酒酔い、切り傷等の軽傷など)であっても救急要請するケースがあることから、救急車の適正利用を促すため、誰もがわかりやすいフローチャートを作成し、普及啓発したい。
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発表2「思い出の八幡坂~八幡坂夏祭りプロジェクト~」

八幡坂は、有名CMに起用されるなど観光客にとっては有名な写真撮影スポットになって
いるものの、西高生にとっては毎日の通学時に苦労して上り下りしている単なる坂に過ぎない存在であると同時に、観光客が学校敷地内に無断で立ち入るなど問題も生じていることから、西高生ならではの視点で、八幡坂を題材に思い出に残る催しを開催したい。
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発表3「地元高校生がつくる修学旅行生向け観光マップ」

修学旅行先として人気のある函館西部地区だが、利用する地元店舗は一部の有名店のみで、中には全国チェーン店を利用する修学旅行生もいることから、修学旅行生向けに地元の高校生がよく行くお店を紹介するチラシや地図アプリを制作し、地元店舗の利用を促したい。
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発表4 西高割で地域活性化

西高生は外資系飲食店を利用することが多いが、西高割という制度をつくり普及させることで地元店舗の利用を促し、地域活性化につなげたい。
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発表5 放課後の居場所づくり~地域経済活性化×学力向上~

近年、自宅に勉強できるスペースがないなど、勉強したくてもできない環境下にある生徒が増えていることから、学校周辺の店舗等の協力のもと、気兼ねなく勉強する環境を確保し学力向上につなげるとともに、地元店舗の売上向上やPRなどに協力することで相乗効果を目指したい。
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発表6 海ごみを遊び道具に変えて楽しくアップサイクルしよう

観光都市、海洋都市である函館だが、街中にごみが落ちていたり、海にごみが浮かんでいたり、環境を損ねていることから、ごみを拾うだけでなく、アップサイクルすることで、きれいな街づくりのため普及啓発したい。
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2. グループワーク

西高生が発表した企画について、参加者30名を6つのグループに分け、実現に向けてのアイデア出しや話し合いを行いました。西高生にとって、学校以外の場所で地域住民や関係機関の方と直接話すことのできる良い機会になったと思います。

3. グループワークの結果発表

グループワークで話し合った内容を発表しました。主な内容は次のとおりです。

発表1「救急車のフローチャートをつくろう」

  1. フローチャートへの意見
    ・いろいろな症状に対応できるフローチャートが必要
    ・高齢者向けに、大きな文字でイラストも活用した方が良い
    ・急病センターなど、119番以外の連絡先も記載した方が良い
  2. 全戸配布について
    ・ホームページ、SNSの活用
    ・町会の回覧板や掲示板へのチラシ掲示
  3. 西部地区での啓発について
    ・高齢者がよく行く病院やスーパーなどにチラシを掲示

発表2「思い出の八幡坂~八幡坂夏祭りプロジェクト~」

  1. 西高生×観光(イベントの開催)
    ・写真スポットをつくろう
    ・八幡坂から愛を叫ぼう
    ・八幡坂を転がってみる
  2. 写真コンテスト
    ・公会堂の貸衣装とコラボし八幡坂で写真撮影するなど、地域にある他の施設や店舗と連携することで地域全体を盛り上げることができると思う
  3. その他
    ・両企画のコラボ
    ・広報はポスター掲示やSNSの活用

発表3「地元高校生がつくる修学旅行生向け観光マップ」

  1. 店舗情報
    ・飲食店だけでなく、「食べる」「見る」「遊ぶ」「買う」ところも載せた方が良い
    ・修学旅行では体験学習が主流になっているので、体験学習のできる場所も載せた方が良い
  2. マップやアプリの制作について
    ・まず自分たちでできることからはじめたらどうか→SNSで発信
    ・旅行会社と連携してはどうか
  3. 資金調達について
    ・旅行会社やバス会社、印刷会社に協力を求めてはどうか

発表4 西高割で地域活性化

  1. 西高割に必要なサービス
    ・安いメニューを開発
    ・参加店舗共通のスタンプカード
    ・学生証の提示でお得なサービス
  2. 周知について
    ・Instagramのストーリーズ機能を活用
    ・西高の入学説明会で新入生に周知
    ・一人向け、グループ向けなど西高割以外の情報も掲載
    ・写真スポットも掲載

発表5 放課後の居場所づくり~地域経済活性化×学力向上~

  1. 利用ルールについて
    ・1人一品注文する
    ・時間制でお金を払う
    ・長時間利用して良いか、また、利用可能時間を店舗に確認
    ・西高生が利用するメリットの提示(SNSで店舗の宣伝など)
  2. 店舗への交渉について
    ・上記1を自分たちで考え、まとめてから店舗に交渉した方がよい
    ・十字街商盛会などの商店街に協力を依頼してはどうか
  3. 店舗以外の居場所について
    ・公共施設について調べて、利用ルールを確認してはどうか
    ・西部地区以外のエリアに広げて探してみてはどうか

発表6 海ごみを遊び道具に変えて楽しくアップサイクルしよう

  1. 資金調達について
    ・クラファンを活用してはどうか
  2. 海ごみの加工について
    ・ビーチコーミングと連携してはどうか
  3. 赤レンガ倉庫の運河以外でゴミを拾う方法について
    ・町会の清掃活動に参加してはどうか
  4. コマ作り以外のアップサイクルの方法について
    ・ペットボトルキャップで野球
    ・モザイクアート
    ・お土産として購入できるものを作ってはどうか
  5. 社会に啓発する方法について
    ・「函館海の教室」と連携してはどうか
    ・ゴミ拾いを遊びに変える(例えば、拾ったゴミの量で競争するなど)ことで子ども達にも興味を持ってもらえるのではないか
  6. 次世代に引き継ぐ方法について
    ・近隣の学校と連携してはどうか
    ・いずれ市民活動に格上げ

開催結果

今回、参加者から寄せられた主な意見は次のとおりです。
・西部地区に長年住んでおり、西高生がどのような企画を考えているのか興味があって参加したが、若い世代の方と話すことができて楽しかった。(地域住民、80歳代)
・これまでの共創サロンと比べ、参加者同士が近い距離で話し合うことができるので、率直な意見交換ができたと思う。今後も続けてほしい。(大学教授)
・西高生のまちづくりに対する真剣な思いを聞くことができ、感動した。企画を実現させるために、今後は個別に協力し合いたい。(行政職員)
・若い方が頑張っている姿は素晴らしいと思うし、自身の刺激にもなるので、参加して良かった。今後も協力したい。(公共施設職員)
・良い経験になった。西高生の企画に協力したい。(西部地区小売店経営者)
・函館に移住したばかりで、いろいろな方と交流したいと思い、夫婦で参加したが、勉強になり、楽しかった。(移住者)
・生徒が学校の外で社会とつながる貴重な機会になった思うので、大変良い取組だと思う。(教育関係者)
・生徒に貴重な経験をさせていただける場を提供していただき感謝する。共創サロンをきっかけに活動が広がってほしい。(西高教諭)

今回の共創サロンをきっかけに、「西高生が考える西部地区のまちぐらし」の企画が実現されるよう、参加者をはじめ、地域のみなさまにおかれましても、ご支援・ご協力をいただければ幸いです。


今後も、いただいた意見等を踏まえ、西部地区における様々な「まちぐらし事業」や「まちを学ぶ場の提供」などの取組を進めていきます。
また、「函館西部地区ニュース」では、本サロンの開催の様子をはじめ、西部地区再整備事業の取組やイベントの様子、西部地区で活動されている方へのインタビューなどを配信していますので、ぜひ、ご覧ください。

主催

函館市(函館市西部まちぐらしデザイン室)、株式会社 はこだて西部まちづくRe-Design

協力

函館市西部地域振興協議会、北海道函館西高等学校