共創のまちぐらし

2022.10.25
共創のまちぐらし
【特別企画】函館西部まちぐらし共創サロンを開催しました

令和4年10月14日(金)に元町公園内旧北海道庁函館支庁庁舎2階において、地域住民等36名の参加のもと、函館市西部地区再整備事業基本方針に定める「共創のまちぐらし推進プロジェクト」の一環として、「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しました。(開催のお知らせはこちら)

開催趣旨

「西部地区における共創のまち育て」をコンセプトに、地域住民をはじめ、市民やまちづくりに関わる参加者が西部地区の未来を考え共有し、語り合い、アイデアをカタチにする新たな取り組みとして「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催いたしました。
さらに参加者一人ひとりの意見やアイデアを尊重し、今後立ち上がっていくプロジェクトを主体的に運営してもらうことを目指しています。
今回は「映画の街函館・ロケ物語-函館の景観が生んだ数々の名シーン-」と題して、ゲストに元町在住の太田誠一さん(カフェ・やまじょう、ロケコーディネーター)をお迎えし、太田さんが関わった函館ロケ作品等のご紹介、後半は函館市整備地区再整備事業アドバイザーの北原啓司さんを交えてのまちづくりトーク・対談を開催いたしました。

共創サロン・話題提供の様子

映画の街函館・ロケ物語-函館の景観が生んだ数々の名シーン-

ロケコーディネーター 太田誠一

(自己紹介等)

元町在住・カフェやまじょう店主。
函館の西部地区のまちづくり活動に長年関わり、函館の映画祭を立ち上げ、これまで映画、
テレビ、ドラマの作品をロケコーディネーターとして多数関与、その他、函館西部地区バル街の立ち上げのメンバー。

(話題提供)
 太田さんが主にフルワークした作品を中心に、当時の撮影の様子・エピソードなどについて話をいただいた。

■フルワークした主な函館映画
・キッチン(1989)
・オートバイ少女(1994)
・キリコの風景(1997)
・パコダテ人(2001)
・オート・ヴィー(2001)
・星に願いを(2003)
・海猫(2004)
・世界はときどき美しい(2005)
・Little DJ 小さな恋の物語(2007)
・犬と私の10の約束(2008)
・わたし出すわ(2009)
・世界から猫が消えたなら(2016)

■その他撮影に関わった函館映画等
・俺とあいつの物語(1981)
・居酒屋兆治(1982)
・ときめきに死す(1984)
・雪の断章(1985)
・テイク・イット・イージー(1986)
・キャバレー(1986) 
・いつかギラギラする日(1992)
・霧の子午線(1995)
・とどかずの町で(1995)
・三毛猫ホームズの推理(1996)
・風の歌が聴きたい(1997)
・愛を乞うひと(1998)
・港のロキシー(1999)
・ほとけ(2001)
・日本沈没(2006)
・ほかテレビドラマ、CM、MVなど多数のロケ作品に同行。

  • 今は亡き森田芳光監督が言っていた函館の良さ、「透明な空気感、いい淋しさがあるねと」、その中だからひんやりとした情感の中で生きる意味を探せるんだよと、この言葉が未だに忘れられない。様々な映像コンテンツで地域を元気にしてきたつもりで、コンテンツをもとに人が函館に訪れる。映画を活かしたまちづくり、この嬉しさはない。
  • 20年前に雑誌の取材で発した言葉であるが、映画撮影同様に今もまちづくりに関わる行動の土台となる考えは、「人々が出会い、繋がっていき、何かが生まれる場所でありたい」、函館西部地区のまちづくりに通じるものがある。
  • 住民が楽しみながら主体的にまちづくりに参画していくためには、いかに自分ごとと思えることが必要。
  • また、トラスト制度ではないが、景観や貴重な歴史的文化財等を保全・利活用しながら後世に継承する、本日の会場、改修となった旧北海道庁函館支庁庁舎もそうだが、再生した建物を使えることは非常に良いこと。今後もまだまだこのような建物があるので、住民・市民皆で活かせるような使い方をしてほしいと。この事も皆さんに伝えたくて今回の共創サロンのゲストを引き受けた。

まちづくりトーク

ロケコーディネーター 太田誠一
函館市西部地区再整備事業アドバイザー 弘前大学 北原啓司

【北原啓司プロフィール】
弘前大学教育学部特任教授
住民参加型まちづくりを捉え直した「まち育て」という概念を提唱、住民、行政、専門家・学生等がまちづくりに主体的かつ協働して取り組むことの意義を示し、その実践と理論化に尽力。※2021年には、地元弘前のコミュニテFMで20年以上に渡りDJを続けている番組「まち育てないと」での活動が評価され、日本都市学会特別賞(まちづくり賞)を受賞。著書:「空間」を「場所」に変えるまち育て など

まちづくりトークでは、函館市西部地区再整備事業アドバイザー(デザイン分野)弘前大学・北原啓司氏が聞き手となり、太田氏と対談した。

(対談内容)
・太田さんをみていると、様々な関係を持っている人、「この人といると色んな人と出会える」、それが太田さんへのイメージである。
・スライドの文章で「人々が出会い、繋がっていき、何かが生まれる場所でありたい」という名文章が出てきた、場所という言葉・場の記憶とあったが、その中で、3つの単語があった。一つ目は西部地区の「高さのレベル(坂などに高さの見方)」、2つ目は「におい(旧庁舎横の防空壕?)」、3つ目に「いい寂しさを感じる」とあった、景観というと視覚だと思うが、景観は五感で感じる部分もある。ある匂いをしたら何かを思い出すこともある。サウンドスケープ、音も景観である。
・函館市民でも函館の関係人口になってない人がいっぱいいる。函館に住んでなくても函館の関係人口がいる。いかに切り口を作るか、まちを楽しんでいってほしい。空間をもう一度場所にすることが大事。
・以前、弁天町にある学生のシェアハウスである「わらじ荘」での演劇を拝見したが、ああいう光景を見ると元気が出る。

参加者との意見交換

太田氏が関わったCMや音楽MVなどの映像(CMでは、深津絵里さんとリリーフランキーさんが出演の「大和ハウス(ここで一緒に)編や常盤貴子さん出演の宝くじなど、音楽MVでは、GLAYの「ホワイトロード」」を参加者と視聴し、撮影当時の様子などをはじめ、西部地区の景観・まちづくり等について参加者と意見交換した。

(参加者意見)
・今回の話題提供は、特に地域の学生にも聞かせてやりたい内容だった。
・当面は、共創サロンの目的もあるが、連続的に様々な地域テーマでサロンを開催してほしい。
・北原先生の空間を場所に変えるという話があったが、市の所有物件として、この施設(旧北海道庁函館支庁庁舎)をもっとPRし、地域住民、市民に利活用してもらうべき。
・まだまだ再整備事業に係る市の取り組み、まちづくり会社の取り組みが見えない。
・今後も様々な世代が交じり合える西部地区のまち暮らし活動に期待 など

今回もいただいた意見等を踏まえ、本サロンの運営をはじめ、西部地区における様々な「まちぐらし事業」や「まちを学ぶ場の提供」などの取り組みに反映し進めていきます。
まちづくり・まちぐらしに関する取り組みは、地域の共感を得て進めることが非常に大事だと考え、より多くの市民・団体の皆さんに西部地区のまちぐらし事業を知っていただけるよう、引き続き取り組みの可視化・見える化にも努めていきます。

「函館西部地区ニュース」でも、本サロンの開催の様子を配信しております。

主催

函館市、株式会社 はこだて西部まちづくRe-Design

協力

函館市西部地域振興協議会

お問い合わせ

函館市西部まちぐらしデザイン室(函館市都市建設部まちづくり景観課)
TEL:0138-21-3357