共創のまちぐらし

2023.02.03
共創のまちぐらし
函館西部まちづくりBAR vol.2を開催しました

令和5年1月10日(火)に街角NEW CULTUREにおいて、「函館西部まちづくりBAR vol.2」を開催しました。(開催のお知らせはこちら)

開催概要

昨年1月の開催に続き、今回第2回目となる函館西部まちづくりBAR vol2の開催について、主催者を代表して、入舟町出身で前函館市西部地区まちぐらし検討会議委員である矢田項一幹事(株式会社ハコダテミライカモン代表取締役)が挨拶・本企画の開催の背景(市民・まちづくりに関わる皆さんが普段生活している中で西部地区に感じていることや、こんなまちになればいいのにといったご意見から、西部地区ならではのまちづくりのヒントを探る)および会社概要等の説明があった。

矢田代表幹事の挨拶・企画説明

第1部プログラムでは、函館西部地区でまちづくりに取り組んでいる2名のゲストを迎え、お話しを伺いました。
一人目のゲストスピーカーとして、富樫雅行氏(合同会社富樫雅行建築設計事務所代表)より、「街角NEW CULTUREのご紹介」としての話題提供をいただく。

  • 建築家として、西部地区での古民家再生の可能性を地域に広めようと、自ら常盤坂の古民家を改修のうえ居住し、地域の遊休不動産のリノベーションに取り組み、中でも建物の歴史的背景と地域性に可能性を感じ、池見石油店から引き継いだ十字街のカルチャーセンター臥牛館(現在はヒトココチが所有権を取得)を様々な活動を経て、文化複合施設として再生。
  • 現在は、築90年を超える旧昆布館と焼き肉店(キングオブキングス)が併設した建物をリノベーションし、街角から新たなカルチャーを発信し、地域の人が挑戦できる「函館の複合ポップアップ施設」として運営している。
  • コロナ禍で街が停滞する中でも、建築家の自分にできることがあるはずで、やっぱり建築家として、場所をつくりたい、みんなが街で挑戦できる舞台をつくりたい。チャレンジできる舞台を用意しようと始めたのが、2021年7月の海の日からのポップアップストア「街角NEW CULTURE」である。
  • その他、街角POPUP、街角キッチン、RE:MACHI&CO、十字街文庫の展開などの紹介。
  • 今後も本施設が、地元の人の動線である銀座通りと観光動線である金森レンガ倉庫群を結ぶ場所でありたい。
  • こうした取り組みは、けっして街の為だけでなく、自分のために自分のやりたい事を、できることから、ひとつひとつ実現して形にしている。
富樫雅行氏からの話題提供

続いて、函館西部まちなか空間利活用プロジェクトの尾山朋幸氏と田中知美氏から、西部地区のまちなか空間を利活用した「令和4年度の取り組み等について」の話題提供をいただいた。

  • 本プロジェクトの目的としては、公園をはじめ、道路や空家・空地などのまちなか空間を舞台に、日常的に住民・市民が集い、観光客もひきつける空間の多様な利活用を探っている。
  • 目指すものとしては、
    ・日常的な公共空間・民間立地などまちなか空間の利活用
    ・まちなかへの回遊性、滞在時間の増加
    ・担い手の発掘、収益事業の創出など
  • 運営は地元有志が賛同した函館西部まちなか空間利活用プロジェクトチームが主催し、まちづくり会社や市にも協力をいただいている
  • 今年度試行実施した取り組みは、
    ・元町マーケット(7月9日・10日開催、元町公園、来場者1,000人)
    ・ナイトマーケットin港の庵(8月26日・27日、港の庵、500名)
    ・函館カレーフェス(10月8日・9日、BAYはこだて、2,000名)
    ・元町フェスタ(2月の金・土・祝前日・祝日、元町公園※予定)
  • 今後も様々な課題をクリアしながら、
    ・一歩踏み出す取り組み
    ・小さく小さくまちを更新
    ・西部地区の豊かさをつなぐ場 など
  • 最後に意欲とやる気ある仲間で西部地区の日常的な公共空間の利活用を継続したいと力強く語っていただきました。
尾山朋幸氏・田中知美氏からの話題提供

第2部プログラム・函館市西部地区再整備事業のアドバイザーで株式会社オガールの岡崎正信氏からは、

  • まちづくりに関わる役所・民間の人にとってこの感覚を大事にしてほしいが、それは「人を残す」ということ。人は死に、誰が残ったかが大事である。今、西部地区のタスキを預かっているが、一歩でもアドバンテージを持って、人を育てることである。
  • また、まちづくりに必要なのは「教育」、圧倒的に「教育」と考える。どんなスキームを覚えようが、金融のテクニックであろうが、人脈であろうが、それは何かと言うと教える教育ではなく、自主学習できる人をつくる事である。とにかく興味があることを学び、行動に移す。インストールして、アクティベートすることである。このような中、富樫さんは行動に移した。
  • 最後にチャレンジさせてあげる環境、「寛容性」である。ぜひ西部地区を寛容性あるエリアにして、失敗してもまたチャレンジできる環境を富樫さん中心に取り組んでいただきたい。

当日は実行委員やゲストも含めて29名にご参加いただき、交流会では参加者からの意見として、「西部地区のまちづくりを推進すためには、様々なプレーヤーを結合させるべき」、「低未利用不動産の市民レベルでの利活用の推進(市民リノベーション)」、「市民・民間発意の共創プロジェクトの推進」、「西部地区ニュースやウェブサイトを活用した地域住民への取り組みの見える化」、「次の時代を担う子供たち(西高生など)の事業参画」、「移住・起業者との交流の場の創出」、「このような機会を定期開催に開催してほしい」、「横断的な移住・創業支援を強化するべき」、「内外の多様な人材・関係人口が出会い交流する場の創出」、「有識者等を集めた会合も必要であるが、西部地区の暮らしは地域住民から成り立っているので、住民参画のまちづくりを」などのご意見をいただき、参加者間の交流の場ともなり、西部地区ならではのまちぐらし実現に向けた様々な意見交換等ができた。
また、最後に会合にご協力をいただいた函館市西部まちぐらしデザイン室の職員からも、函館西部地区再整備事業の推進にあたり、地域住民の声を反映し、地域住民参加の機運を高めた「まちづくり・まちぐらし事業」を目的に、共創サロンなどの場も活用しながら、今回の会合でいただいた意見等含め、今後の西部地区のまちぐらし事業に反映したい旨の声をいただいた。

岡崎正信氏との意見交換等

参考情報(函館西部地区ニュース)

函館西部まちづくりBAR vol2開催時における岡﨑正信氏への取材

2023/01/14配信 函館西部地区ニュースVol37(函館西部まちづくりBarの様子を配信)
2023/01/21配信 函館西部地区ニュースVol38(函館市西部地区再整備事業アドバイザーで株式会社オガール代表取締役の岡崎正信さんにお話を伺っております)

主催

函館西部まちづくりBAR実行委員会
※実行委員会メンバー:代表幹事・矢田項一、高田鮎子、谷口真貴、成田晃浩、柴田英実(欠)

共催

株式会社 はこだて西部まちづくRe-Design

協力

函館市西部まちぐらしデザイン室