共創のまちぐらし
令和8(2026)年9月27日(日)に、函館公園 市立函館図書館旧本館前広場において、地域住民など、市内外から30名の参加のもと、函館市西部地区再整備事業基本方針に定める「共創のまちぐらし推進プロジェクト」の一環として、「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しました。(開催のお知らせはこちら)
令和8(2026)年度 第2回 函館西部まちぐらし共創サロン開催結果(概要)
開催日時
令和8年(2026年)9月27日(日)午後1時30分から午後4時まで
開催場所
函館公園 市立函館図書館旧本館前広場(青柳町17)
開催趣旨
函館市西部地区再整備事業基本方針に掲げる重点プロジェクトの一つである「共創のまちぐらし推進プロジェクト」における取組として、令和4(2022)年度から、地域住民をはじめ、市民やまちづくりに関わる参加者が西部地区の未来を考え、共有し、まちぐらしを語り合う場として函館西部まちぐらし共創サロンを開催しています。
今回は、一般社団法人Old Town Junction Hakodate主催の「BOOK PARK HAKODATE」の一環として「本屋がある街の暮らし」をテーマに、「西部地区ならではのまちぐらしの実現」につながるヒントを探るため、地域住民のほか、市内外から30名の参加のもと、ゲスト2名を招き、トークイベントを開催しました。
■BOOK PARK HAKODATE の様子




開催内容
1. 函館における図書館の歴史
第1部は、一般社団法人Old Town Junction Hakodate 代表理事 阿部 光平氏と「こどものくに」ジェネラルマネージャー 加藤 大地氏の2名により、市立函館図書館の初代館長である岡田 健蔵氏の功績など、函館における図書館の歴史についてトークセッションを行いました。
自身が営む蝋燭工場の一角に開設した図書室が大火により類焼した経験を持つ岡田氏は、図書館は耐火建築であるべきとの強い信念を持っており、その想いに賛同した篤志家の寄附により建設された鉄筋コンクリートの書庫が現存しているとの紹介があったほか、昭和9年(1934年)の函館大火の際には図書館に味噌を塗って守ったおかげで、蔵書が燃えなかったことや、図書館の屋根に設置されている狛犬について、岡田氏の「もったいない精神」から使わなくなった神社の狛犬を移設したことなどが紹介され、参加者は、市立函館図書館旧本館を見上げながら、感銘と驚きの表情を浮かべていました。
また、私立図書館の時代には、家族経営だった話が紹介されると、「こどものくに」を家族で経営している加藤氏からは「自分もまだまだ頑張らなければならない」との決意があり、会場は温かい空気に包まれました。
トークセッションの最後には、阿部氏から「函館公園は文化的な場所。市立函館図書館旧本館前広場で本に関連するイベントを開催することに意義があると思うので、同建物の再活用は難しいと思うが、『BOOK PARK HAKODATE』を定期開催したい」との話しがあり、また、加藤氏からは「函館公園を多世代がアットホームに過ごすことができる場所にしていきたい」との話がありました。
市立函館図書館旧本館を利用したことのない参加者もいましたが、建物前の広場で開催することで、岡田氏の功績などを実感することができたようです。




2. 本屋がある街の暮らし
第2部は、阿部氏の進行のもと、独立書店「Seesaw Books」を営む神 輝哉氏と、「(do)books」を営む徳谷 柿次郎氏をゲストに迎え、開店の経緯や書店の意義など、本屋がある街の暮らしについてトークセッションを行いました。
ゲストハウスや生活困窮者向けシェルターも営む神氏からは、コロナ禍を契機にシェルターを開設したが、シェルターを継続するための財源を生み出すために書店を開設したことや、「棚オーナー制度」が人気で、年代を問わず、本を作りたい人が多いように感じているとの話がありました。
コーヒースタンドの一角に書店を開設したばかりの徳谷氏からは、「デジタルから紙へ移行」という思いや、自身が編集者でもあることから、書店は「自分で作った本を自分で売ることのできる場所」であり、「大文字の『DO』から、あらゆる価値から距離を置き中道で続ける小文字の『(do)』へ、という思いから店名を『(do)books』にした」との話がありました。
阿部氏から「街に本屋があると何が生まれるか」との問いかけに対して、神氏からは、学生も多く来店することから関係性が広がるとの話があり、徳谷氏からは、学校司書から本の選定依頼があるなど、コーヒースタンドだけでは生まれなかったつながりが生まれたとの話がありました。
このほか、「書店は鮮度が重要。売れた本はすぐに仕入れなければならないので初期投資が難しい」との話もあり、参加者の中には熱心にメモを取る人もいたことから、本や書店、ゲストへの関心の高さを伺うことができました。




3.意見交換
ゲストによるトークセッション終了後には、参加者との意見交換を行いました。
参加者からの「デジタル(電子書籍)と紙媒体の本の違い」に関する話題提供について、徳谷氏からは「紙媒体の本の方が贅沢で豊か。デジタルの場合は読んでも記憶に残りにくいが、紙媒体は自分の言葉で語ることができる読書体験となり、世界が広がる」との話がありました。
また、地方都市での書店の廃業等に関連し、参加者から「本に出会うことのできる人とできない人の格差について、どのようなサポートができるか」との投げかけに対しては、神氏から、滝上町の地場スーパーの一角に開設した無人書店を例に挙げ、「スーパーの「一緒に暮らす」という理念に共感して出店を決意。情熱のある人には応援する人が付いてくる」との話しがありました。
このほか、「BOOK PARK HAKODATE」にも出店していた神氏からは、「本好きなお客様といろいろな話ができて幸せだった。会場のロケーションも良いし、函館は文化の深さを感じる」との嬉しい言葉もいただきました。
最後に、阿部氏から「函館公園が本を読んだり、コーヒーを飲んだり、ゆっくりと過ごすことのできる場になれば移住者が増えるのではないか」との問いかけがあり、早くも次回の開催を心待ちにする参加者の声も寄せられました。


開催結果
参加者等から寄せられた主な意見は次のとおりです。
- 函館西部まちぐらし共創サロン(トークイベント)には申し込んでいなかったが、「BOOK PARK HAKODATE」に出店していたゲストと話をし、興味を持ったので急遽参加した。気軽に参加できる空気感とロケーションが良かった。
- 書店経営に興味があり参加した。トークイベント終了後も、近い距離でゲストに質問することができた。
- トークイベントだけでなく、書店や飲食店の出店があることで賑わいが生まれていたように思う。紙芝居も楽しかった。
本イベントをきっかけに、「自分たちの暮らしを自分たちで創る」という思いが深まり、歴史的町並みや美しい景観が魅力である西部地区ならではのまちぐらしが実現されるよう、地域のみなさまにおかれましても、ご支援・ご協力をいただければ幸いです。
また、「函館西部地区ニュース」では、共創サロンをはじめ、西部地区再整備事業の取組やイベントの様子、西部地区で活動されている方へのインタビューなどを配信していますので、ぜひ、ご覧ください。
主催
函館市(函館市西部まちぐらしデザイン室)、一般社団法人Old Town Junction Hakodate、株式会社はこだて西部まちづくRe-Design
協力
函館市西部地域振興協議会
