共創のまちぐらし

2024.07.25
共創のまちぐらし
令和6(2024)年度 第2回 函館西部まちぐらし共創サロンを開催しました

令和6年7月13日(土)に函館市地域交流まちづくりセンターにおいて、地域住民等26名の参加のもと、函館市西部地区再整備事業基本方針に定める「共創のまちぐらし推進プロジェクト」の一環として、「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しました。(開催のお知らせはこちら)

令和6(2024)年度 第2回 函館西部まちぐらし共創サロン 開催結果(概要)

開催日時

令和6年(2024年)7月13日(土)午後2時から午後4時まで

開催場所

函館市地域交流まちづくりセンター 2階 多目的ホール(末広町4番19号)

開催趣旨

函館市西部地区再整備事業基本方針に掲げる重点プロジェクトの一つである「共創のまちぐらし推進プロジェクト」における取組として、令和4年度(2022年度)から、「西部地区における共創のまち育て」をコンセプトに、地域住民をはじめ、市民やまちづくりに関わる参加者が西部地区の未来を考え、共有し、まちぐらしを語り合う場として「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しています。
今回は、「持続可能な西部地区のまちぐらし」をテーマに、市内高等学校および高等教育機関の学生など若い世代を対象に企画(アイデア)を募集し、応募のあった6グループによる企画発表とその企画実現に向けたグループディスカッションを行いました。

開催内容

1. 企画発表

6グループ(23名)による企画発表を行いました。企画内容は次のとおりです。


企画発表1
函館和洋折衷住宅モデルハウスの実現プロジェクト(北海道函館工業高等学校 建築科 調査研究班)

函館西部地区の街区模型製作に伴う調査研究を通して、空地・空家が課題であると感じており、その課題解決として、函館市の伝統的な建造物である和洋折衷様式のモデルハウスの実現を提案します。モデルハウスを起点に、函館市景観形成住宅等建築奨励金制度の活用者や起業希望者等が増加し、空地・空家の減少につながるのではないかと考えます。


企画発表2
イチハコ生が考える西部地区の空き家問題 (市立函館高等学校 5人のプリンセス)

西部地区の空家の現状や原因、空家が増えることによって起こる安全面や環境の問題、これらの問題を解決するための取組なども初めて知りました。私たちのように、空家問題等をよく知らない若者が、西部地区の空家問題を考えるきっかけを作るため、SNSを活用する方法を提案します。


企画発表3
西高生地域貢献プロジェクト~西部地区の町会活性化~(北海道函館西高等学校 青春テリトリー)

函館西高校は西部地区にある唯一の高校です。私たちは昨年度の卒業生からの引継で、西部地区の複数の町会の茶話会などに参加しています。参加してリサーチ活動をしているうちに、町会や町内に住んでいる人の困りごとがわかってきました。
西部地区の問題は西高生が解決したい!そのためにいろいろな町会の人とつながり、本活動をする西高生を増やすことで、地域貢献したいと考えています。


企画発表4
観光客と市民との共創的なまちづくり(北海道教育大学函館校 地域づくり支援論)

西部地区には多くの観光客が訪れますが、地域住民との交流が少ないと感じています。
そこで、夜間や長期休暇中の小学校校舎を利用して、観光客と市民の両方をターゲットに事業を展開することで、長期滞在やリピーターを増やし、「暮らすように旅をする」の実現により、日常的な楽しさを共有できるまちづくりを考えます。


企画発表5
HAKODATE DEEP WEST:ロケーションベースドAR技術を活用したサービスデザイン(公立はこだて未来大学 HAKODATE DEEP WEST プロジェクトチーム)

私たちは、西部地区の奥地(HAKODATE DEEP WEST)をフィールドとして、新たな地域の価値の創出を目的としたロケーションベースドAR技術を用いたサービスのデザインをし、地域コミュニティの活性化や魅力の再発見などにつながるプロダクトの実装を目指します。


企画発表6
活きる空き(学生団体 ISARIBI with 活きる空きプロジェクト)

西部地区に点在する空家や空地。町ゆく人に「函館は廃れていく街?」という印象を浮かばせます。でも実際は、再利用の計画が進んでいる、歴史的魅力を秘めている場所がたくさんあります。見えていないだけで。そんな魅力を見えるようにし、「函館はこれから面白い」という印象を生み出す”活きる空き”を作ります。


2. グループディスカッション

発表した企画(アイデア)について、参加者26名を6つのグループに分け、実現に向けてのアイデア出しや話し合いを行いました。学生にとって、地域住民や行政職員など多世代の方と直接話すことのできる良い機会になったと思います。

3. グループディスカッションの結果発表

グループディスカッションで話し合った内容を発表しました。主な内容は次のとおりです。


企画発表1
函館和洋折衷住宅モデルハウスの実現プロジェクト(北海道函館工業高等学校 建築科 調査研究班)

  • 【主な意見】
  • モデルハウスを新築するのではなく、空家になっている既存の和洋折衷住宅を活用してはどうか
  • 和洋折衷住宅で店舗として活用されている建物を見て歩くことでモデルハウスの代替になるのではないか
  • モデルハウスの運営に維持管理経費が必要になるので、資金調達の方法として クラウドファンディングを活用してはどうか

企画発表2
イチハコ生が考える西部地区の空き家問題(市立函館高等学校 5人のプリンセス)

  • 【主な意見】
  • 空家問題の発信について、SNSだけでなく、広報誌を活用した方が幅広い層に発信できるのではないか
  • 建築家を目指す方が学ぶ場所として、実技研修を行う場所として活用してはどうか
  • 空家をリノベーションすることでまちの景観向上につながるのではないか
  • 空家を飲食店などに利活用している事例を紹介してはどうか

企画発表3
西高生地域貢献プロジェクト~西部地区の町会活性化~(北海道函館西高等学校 青春テリトリー)

  • 【主な意見】
  • 町会館を高校生が勉強などをできる居場所として活用してはどうか
  • 学校に行きにくい人が通える居場所として活用してはどうか
  • 近隣の小学校・中学校・高校などと連携してはどうか
  • 函館市地域交流まちづくりセンターを起点にして、町会を巡るスタンプラリーを開催してはどうか

企画発表4
観光客と市民との共創的なまちづくり(北海道教育大学函館校 地域づくり支援論)

  • 【主な意見】
  • 校舎を利活用するだけでなく、食事は地元の飲食店、お風呂は谷地頭温泉を活用するなど、まち全体で考えてみたらどうか
  • 観光客にリピーターになっていただくため、毎年、港祭りに参加していただくのはどうか(港踊りのレクチャーも行う)
  • 観光客と市民との交流を促すため、町会と連携してはどうか
  • 校舎ならではの催しとして怪談をテーマにイベントを開催してはどうか

企画発表5
HAKODATE DEEP WEST:ロケーションベースドAR技術を活用したサービスデザイン(公立はこだて未来大学 HAKODATE DEEP WEST プロジェクトチーム)

  • 【主な意見】
  • 「DEEP WEST」(西部地区の奥地)に人を呼び込む方法として、観光の起点となる場所への写真の掲示や、函館駅から西部地区までの動線に面白い仕掛けづくりなど工夫が必要ではないか
  • AR技術について、デジタルとアナログの掛け合わせをすることで、幅広い年齢層に活用してもらえるのではないか

企画発表6
活きる空き(学生団体 ISARIBI with 活きる空きプロジェクト)

  • 【主な意見】
  • 西部地区に住んでいない人、特に若者にあまり知られていない店舗もあると思うので、マップを製作し情報発信することで、建物の魅力を伝えることができるのではないか
  • 空家見学ツアーを開催し、外観からではわからない建物の魅力を知ってもらうことで、空家のマイナスの印象をプラスの印象に変えることができるのではないか
  • プロジェクトで活用できる場所として、キメラ箱館(仮称)を活用してはどうか

開催結果

今回、参加者から寄せられた主な意見は次のとおりです。

  • 町会役員をしており、町会活性化がテーマと知り参加した。(町会役員)
  • 学生にとって貴重な体験になったと思う。大学生が一般参加者として自発的に応募し、グループディスカッションに入っていることも嬉しかった。改めてコンソーシアムの大切さを感じた。(大学教員)
  • 学生たちのワークショップに大人たちがアドバイスして磨き上げることは、ものすごく面白い取組だと感じた。(企業社員・移住者)
  • 函館にUターンして市公式SNSの案内を見て、面白そうだと感じたので参加したが、一生懸命に活動する学生の姿を見て感動した。(企業社員・Uターン者)
  • 普段、学生と話す機会がないので、どの企画も新鮮だった。これからも活動を続けてほしい。(行政職員)
  • グループディスカッションの短い時間の中で、学生の活動に協力する人が現れるなど、地域とつながるきっかけになったと思う。(まちづくり関係者)

今回の共創サロンをきっかけに、「持続可能な西部地区のまちぐらし」の企画が実現されるよう、参加者をはじめ、地域のみなさまにおかれましても、ご支援・ご協力をいただければ幸いです。

今後も、いただいた意見等を踏まえ、西部地区における様々な「まちぐらし事業」や「まちを学ぶ場の提供」などの取組を進めていきます。
また、「函館西部地区ニュース」では、本サロンの開催の様子をはじめ、西部地区再整備事業の取組やイベントの様子、西部地区で活動されている方へのインタビューなどを配信していますので、ぜひ、ご覧ください。

主催

函館市(函館市西部まちぐらしデザイン室)、株式会社はこだて西部まちづくRe-Design

協力

函館市西部地域振興協議会