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2025.08.04
共創のまちぐらし
令和7(2025)年度 第1回 函館西部まちぐらし共創サロン~まちあるき編~(親子歴史さんぽ元町探検隊)を開催しました

令和7(2025)年6月21日(土)に、函館西部地区において、地域住民のほか、市内外から8組参加のもと、函館市西部地区再整備事業基本方針に定める「共創のまちぐらし推進プロジェクト」の一環として、「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しました。(開催のお知らせはこちら)

令和7(2025)年度 第1回 函館西部まちぐらし共創サロン~まちあるき編(親子歴史さんぽ元町探検隊)~ 開催結果(概要)

開催日時

令和7年(2025年)6月21日(土)午前10時から正午まで

開催場所

函館市地域交流まちづくりセンター(函館市末広町4-19)ほか

開催趣旨

函館市西部地区再整備事業基本方針に掲げる重点プロジェクトの一つである「共創のまちぐらし推進プロジェクト」における取組として、令和4年度(2022年度)から、「西部地区における共創のまち育て」をコンセプトに、地域住民をはじめ、市民やまちづくりに関わる参加者が西部地区の未来を考え、共有し、まちぐらしを語り合う場として函館西部まちぐらし共創サロン(以下「共創サロン」という。)を開催しています。
今回は、小学生(4年生以上)を対象に、西部地区を知り、関心を深めるきっかけとなることを目的に、地域住民のほか、市内外から8組参加のもと、函館観光ボランティア一會の会(以下「一會の会」という。)の会員のガイドにより「まちあるき」を行いました。

開催内容

1. オリエンテーション

集合場所である函館市地域交流まちづくりセンター(以下「まちづくりセンター」という。)において、一會の会の小山会長から開催目的やまちあるきの注意事項について説明があったほか、共催団体等の紹介がありました。
その後、参加者は、3組に分かれて、配布されたしおりに沿って、一會の会のスタッフの先導のもと、まちあるきに出かけました。

2. まちあるき

(1)  二十間坂・東本願寺函館別院

最初に、二十間坂を通り、東本願寺函館別院に向かいました。
二十間坂では、明治11年(1878年)・12年(1879年)に起きた大火の前後の写真を提示しながら、明治2年(1869年)から昭和9年(1934年)にかけて26回もの大火があったことから、防火帯の役割として機能するように二十間(約36m)の道幅になったとの説明があり、参加した児童は、写真と現在の様子を見比べ、道の幅が広くなっていることを確認し、地域の歴史を学んでいる様子が伺えました。
また、大火に伴い再建された東本願寺函館別院の外部見学では、格の高い寺院であることを示す建築的な特徴について説明があり、規模の大きさや重厚な構えを体感した保護者からは「自分たちも知らなかった地域の歴史を学ぶことができた」との声が聞かれ、親子で楽しそうに感想を語り合っていました。

(2) カトリック元町教会・大三坂

カトリック元町教会へ向かう通りでは、函館特有の坂道の風景や上下和洋折衷様式の伝統的建造物などに触れながら、景観が大切に守られてきたとの説明があり、参加者は写真を撮ったり、建物の細部を観察したりするなど、興味深く見学していました。
カトリック元町教会では、最初に建物の外にあるルルドの洞窟に足を運んだ後、内部も見学しました。現在の聖堂は、大正10年(1921年)の大火後に再建されましたが、大火の見舞いとして、教皇ベネディクト15世から、中央の祭壇や左右の壁に等間隔で配置された「十字架の道行き」が贈られたとの説明があったほか、「十字架の道行き」の立体像について、「多くの教会では絵画で表現されている場面が、この教会では彫刻によって表現されている」との説明があり、参加者は注意深く祭壇や彫刻を観察していました。
カトリック元町教会の見学を終えた後は、日本の道百選に選ばれている大三坂を登り、次の目的地である函館聖ヨハネ教会に向かいました。

(3) チャチャ登り・函館聖ヨハネ教会

大三坂を上った先にあるチャチャ登りでは、アイヌ語にちなんだ名前の由来や函館山の斜面に築かれた石畳や石積みの壁に挟まれた坂であることについて説明があり、その急勾配に驚く児童の姿も見られました。
チャチャ登りの先にある函館聖ヨハネ教会の外部見学では、十字の形をした独特な屋根の構造や、建物側面に配置された十字架がキリストの受けた傷を象徴していることについて説明がありました。参加者の中には、説明を受けた後にスマートフォンで現地の航空写真を確認する児童もおり、建物の形に込められた意味を実感したことで、建物を見る視点が深まった様子が伺えました。

(4) ハリストス正教会・八幡坂

ハリストス正教会の外部見学では、建物の構造や宗教的背景に加え、色彩についての説明があり、白い外壁と緑色の屋根のコントラストが美しい配色が、地域の景観を形成する重要な要素となっており、西部地区の落ち着いた景観に寄与しているのではないかとの話がありました。
八幡坂では、整備された石畳と函館湾へまっすぐに続く眺望が、西部地区の町並みと相まって多くの人に親しまれているとの説明があったほか、石畳の中に一つだけ埋め込まれている「ハート形の石」についての紹介もあり、参加者は案内に従って足を止め、石をのぞき込んで形を確かめるなど、親子で笑顔を見せ合う姿が見られました。

(5) 旧函館区公会堂

旧函館区公会堂の内部見学では、明治時代に迎賓施設として建てられた経緯や木造洋風建築としての特徴、国の重要文化財に指定されている理由などの説明がありました。参加者は、当時のまま保存されている広間や階段、装飾が施された天井や窓の意匠に興味深く目を向けていたほか、2階の正面バルコニーでは、函館湾を一望できる開放的な景色をしばらく眺めており、参加者は、提示された古写真と現在の様子を見比べながら、建物の立地の意味や地域とのつながりに関心を深めているようでした。

(6) 旧開拓使函館支庁書籍庫・旧北海道庁函館支庁庁舎

元町公園内にある旧開拓使函館支庁書籍庫の外部見学では、入口部分と本体部分とで異なるレンガの積み方がされているとの説明があり、参加者は、それぞれの積み方の特徴をしおりで確認しながら、興味深く見比べていました。
旧北海道庁函館支庁庁舎の外部見学では、明治後期に建てられた木造洋風建築について、柱頭飾りが施されたエンタシス風の柱など、特徴的な意匠についての説明があり、参加者は、建物の保存状態や細部のデザインに注意を向けながら見学していました。

(7) 旧イギリス領事館

最後の目的地である旧イギリス領事館の外部見学では、バラが咲き始めた庭園を歩きながら、洋風の建築と植栽の調和に目を向けながら、西部地区の歴史や町並みについて理解を深めている様子が伺えました。

開催内容

参加した児童から寄せられた主な意見は次のとおりです。

  • 自主研修で行ったことがある場所もあったが、知っている話については良い復習になったし、知らない話については勉強になった。カトリック元町教会は行ったことがなかったが、正面にあった祭壇が立体的で驚いた。ガイドしてくれた方にいろいろ褒められたことが嬉しかった。次回は、金森赤れんが倉庫周辺と海沿いを探検してみたい。(5年生)
  • 学校の授業では、旧函館区公会堂に入ることができなかったので、今回、中の様子が見ることができて良かった。(6年生)
  • 函館の歴史について知ることができ、楽しかった。次回は、湯川付近も探検してみたい。(6年生)

参加した保護者から寄せられた主な意見は次のとおりです。

  • 普段何気なく見ていた建物に「こんな歴史があったのか」と知ることができて、とても興味深かった。実際に中に入り、説明を聞きながら見学できたことで、より深く理解でき、とても充実した時間を過ごすことができた。(40代)
  • (他のボランティア団体の)ガイドさんをたくさん見かけ、函館の観光を大事にしている姿勢が垣間見えた。また、歴史だけでなく、草花のこと、ハートの石のことなども聞くことができ、情報満載で刺激的な時間だった。そして、函館の歴史を子どもと一緒に学べたことは尊い体験となった。次は一日かけてゆっくり周ってみたい。(50代)
  • 息子からの「行ってみたい」の一言で参加を決めた。しっかり話を聞くのにちょうどいいグループの人数だった。親子共にわかりやすい説明であり、有意義な時間を過ごすことができた。(40代)
  • 自家用車で通ることはあっても、徒歩で巡ることはないので、とても楽しく過ごすことができた。今後も西部地区のイベントを開催してもらいたい。(40代)

今回の共創サロンをきっかけに、児童が西部地区の歴史や魅力などを学び、関心を深める機会を広げていけるよう、地域のみなさまにおかれましても、ご支援・ご協力をいただければ幸いです。
今後も、いただいた意見等を踏まえ、西部地区における様々な「まちぐらし事業」や「まちを学ぶ場の提供」などの取組を進めていきます。
また、「函館西部地区ニュース」では、共創サロンをはじめ、西部地区再整備事業の取組やイベントの様子、西部地区で活動されている方へのインタビューなどを配信していますので、ぜひ、ご覧ください。

主催

函館観光ボランティア一會の会

共催

函館市(函館市西部まちぐらしデザイン室)
函館市教育委員会
函館市地域交流まちづくりセンター
株式会社はこだて西部まちづくRe-Design

協力

函館市西部地域振興協議会