共創のまちぐらし

2024.05.31
共創のまちぐらし
令和6(2024)年度 第1回 函館西部まちぐらし共創サロン~まちあるき編~を開催しました

令和6(2024)年5月25日(土)に、大町・弁天町・末広町付近において、空家等の所有者や利活用を希望される方など15名の参加のもと、函館市西部地区再整備事業基本方針に定める「共創のまちぐらし推進プロジェクト」の一環として、「函館西部まちぐらし共創サロン」を開催しました。(開催のお知らせはこちら)

令和6(2024)年度 第1回 函館西部まちぐらし共創サロン~まちあるき編~ 開催結果(概要)

開催日時

令和6年(2024年)5月25日(土)午後1時30分から午後4時まで

開催場所

ICT KOBOⓇ HAKODATE(函館市大町8-21)ほか

開催趣旨

函館市西部地区再整備事業基本方針に掲げる重点プロジェクトの一つである「共創のまちぐらし推進プロジェクト」における取組として、令和4(2022)年度から,「西部地区における共創のまち育て」をコンセプトに、地域住民をはじめ、市民やまちづくりに関わる参加者が西部地区の未来を考え、共有し、まちぐらしを語り合う場として函館西部まちぐらし共創サロン(以下「共創サロン」という。)を開催しています。 今回は、「空家等の利活用をめざして」をテーマに、地域住民のほか市内外から15名参加のもと、特定非営利活動法人はこだて街なかプロジェクト(以下「街プロ」という。)の会員のみなさんと一緒に「まちあるき」を行いました。

開催内容

1. オリエンテーション

函館市西部まちぐらしデザイン室から、開催目的やまちあるきの注意事項等をお伝えするとともに、協力団体等の活動紹介を行いました。

2. 見学

(1) ICT KOBOⓇ HAKODATE

大正2年に建てられた函館市景観登録建築物です。竣工当時の建物用途は定かではありませんが、戦後、旧大洋漁業函館営業所として使用されていました。  
その後、個人住宅に改修され使用されていましたが、近年は空家になっていたところ、令和5年(2023年)5月から TOPPAN デジタル株式会社の函館サテライトオフィス「ICT KOBOⓇ HAKODATE」として利活用されています。
案内人からは、「特徴的な外観はそのまま残し、歴史を感じる戸棚の金具やガラスなどを再活用しつつも、エンジニアが快適に働くことができるように、椅子などの備品選定や働きやすいスペースづくりにこだわるなど工夫をした」との話がありました。
設計者でもある街プロ会員からは、リノベーションのポイントのほか、古い建物を利活用する際に注意すべきことなどの助言がありました。
参加者は、函館らしい上下和洋折衷様式の建物外観と近代的なオフィス内装とのギャップに目を見張っていたほか、大手企業がオフィスとして利活用していることで、西部地区の歴史的建造物の価値を再認識している様子でした。

(2) キメラ箱館(仮称)

明治期~昭和期の建物が連なっている「キメラ箱館(仮称)」は、近年は空家になっていましたが、令和5年に個人所有となりました。
現在は、リノベーションを終えた部分に居住しながら、リノベーション前の空きスペースについて、今後の利活用方法について検討しているとのことで、案内人から「利活用したい方がいれば相談してほしい」との呼びかけがあったほか、街プロ会員からは、断熱の必要性などについて助言がありました。
参加者は、居住スペースのリノベーション前と後の写真を参考に、空きスペースの利活用について思いを巡らせている様子でした。

(3) Pres de La Mer(プレ・デ・ラ・メール)

120年以上前に建てられた倉庫建築である建物は、長年、空家になっていましたが、令和2年(2020年)に貸別荘としてオープンしました。
リノベーションの際にデザイン・設計などを担当した案内人の説明に対し、参加者は興味津々の様子で、豪華な内装やモダンな照明、壁画など、アートな空間の隅々まで見学していました。

(4) 橋谷家住宅 洋館・店蔵

大正6年に建てられた洋館と明治11年~18年(推察)に建てられた店蔵は、ともに函館市景観形成指定建築物等である歴史ある建物です。令和6年に外観改修を行いましたが、内部は改修中であることから、普段は見られない現場を写真に収めていました。

(5) 空家等

西部地区において、賃貸・売却・譲渡を希望する物件について、見学(一部は外観のみ)を行いました。

開催結果

参加者等から寄せられた主な意見は次のとおりです。

  • 空家等の利活用事例に興味があり参加した。所有する空家も誰かに有効活用していただきたい。(空家所有者・60代)
  • 来店のきっかけとなるような歴史的特徴のある美容サロンのオープンに向けて物件を探しているので、参考になればと思い、参加した。(Uターン者・30代)
  • 大学で文化人類学を学んでおり、西部地区の歴史や町並みに興味がある。普段は見られない建物を見学するだけでなく、専門家や所有者の話を聞くことができてよかった。建物所有者や地元の大学生などとも交流できたので、今後の研究に活かしたい。(大学生・20代)
  • 学生時代に建築を学んでおり、一般公開されていない建物の見学ができるということで参加した。西部地区の魅力を発信し、函館全体の活性化につなげる活動を応援したい。(渡島管内居住者・40代)
  • 西部地区を歩く機会がないので、親子で参加した。観光地ではない西部地区を体験する良い機会になったと思う。(渡島管内居住者・50代)

今回の共創サロンをきっかけに、西部地区の空家・空き店舗等の利活用を促し、空家等の解消につながるよう、地域のみなさまにおかれましても、ご支援・ご協力をいただければ幸いです。
今後も、いただいた意見等を踏まえ、西部地区における様々な「まちぐらし事業」や「まちを学ぶ場の提供」などの取組を進めていきます。
また、「函館西部地区ニュース」では、共創サロンをはじめ、西部地区再整備事業の取組やイベントの様子、西部地区で活動されている方へのインタビューなどを配信していますので、ぜひ、ご覧ください。

主催

函館市(函館市西部まちぐらしデザイン室)、株式会社はこだて西部まちづくRe-Design

協力

函館市西部地域振興協議会、特定非営利活動法人はこだて街なかプロジェクト、TOPPANデジタル株式会社、橋谷株式会社、合同会社箱バル不動産