西部地区の暮らし

2022.05.17
西部地区の暮らし
西部地区の風景と生活

青柳町会 副会長 岡本 啓吾

18歳の頃の私は、生まれ育った函館を出たくて仕方が無かった。

家も学校もこの街も、なんだか息苦しく感じて、明るい未来が思い描けなくて、都会に憧れてとにかく飛び出したかった。

そんなこんなで8年ほどの東京生活は刺激的ではあったけれど、ふとした時に故郷を思うと、段々と物足りなさを感じるようになった。

目的もなく海を見に行ったり、函館山にはよく歩いて登った。
おじいちゃんがいつも連れて行ってくれた西部地区の街並みや家屋やお店や人。
坂を昇り降りすると背景にある函館山が立体的に見えてワクワクするあの感じ。
住吉の海から朝日があがり、入舟の海に夕日が沈む、一日のはじまりとおわりの壮大さ。
函館の空の青色はなんだか他とは違って見えて、どこか儚さと優しさを感じる。

当たり前だった函館の風景や生活が実はとても豊かだったことに、外に出てから初めて気づく。そして無性に愛おしくなった。

10年前に函館に帰ってきて、家族ができて、一生をここで生きるなら西部地区に住みたいと思うようになった。
いずれ子どもが大きくなったら自分のように外に出ていきたいと言うかもしれない。
それでも西部地区で過ごした日常は代えがたいものだし、函館のことをきっといつか愛おしく思ってくれるはず。

風景と思い出がリンクする、そんな西部地区での生活をこれからも大事に過ごしていきたい。

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